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Starry Sky

こんばんは。
今日はクリスマスですね。
メリークリスマス!
というわけで、クリスマス要素は無しですが、
今夜は英雄交争記世界設定のSSを掲載します。
ED後の内容です。
wayaさんのカイト君とハーシバル君をお借りしました。
wayaさん、キャラとストーリーの拝借、失礼します…。

23日に、京都に一番星さん主催のオフ会に行ってきました!
もうとっても楽しい一日でしたv
一番星さん、ぞいやさん、アイスさん、本当にありがとうございました!
オフレポは、また後日に…。

それでは、よろしければ以下の続きからどうぞ。



――この零れそうな星空の下 いっぱい話そう いっぱい笑い合おう
ずっと一緒にいよう キスしよう 愛し合おう
この綺麗な星空の下で――

空に無数の綺羅星が瞬いていて、
その光景は、遠く離れた水の星の広い水面にも投影される。

生命のふるさと、海。
海は時として、巨大な鏡にも似た表情を見せる。
海は、空とは決して交わる事は無いが、
その姿を、自身の身に映す事は出来る。
まるで、鏡のように。

海が蒼穹を映す時、世界は蒼く染まり、
海が星空を映す時、世界は銀河に似た姿へと変わる。

今、「南」を目指して疾るその一隻の船は、
その「銀河」にも似た世界の中にいた。
雲一つない夜空に、その夜空を映しだす海に、数多の星々が輝いていて、
空と海は一体になったように、
世界を空の彼方の、銀河にも似た姿へと変えていた。
その海の空は、この世界のどの空よりも星達が美しく輝いているようにも見えて、
海はこの世界のどの海よりも、星の瞬きを美しく、鮮明に映し出しているように見えた。
海をゆくその立派な帆船は、
星の海を旅する宇宙船のようにも見えた。

その船は、まだ生まれてそれほどの時を生きていない、「若い」船だった。
航海を始めて、まだ十年にも満たないその船は、
その若さにして、既にそれまで人が踏み入れた事の無い海をも旅し、
新しい世界を旅していた。

その船の名は、「フュチュール」。その名は、「未来」を意味していた。
そして、船の船長の名は、「ハーシバル」といった。



【Starry Sky】



――あなたに歌うの この零れそうな星空の下で
あなたの空に 幸せの星が輝きますように――

波音と共に、静かに優しく響く、美しい歌声。
フュチュール号の甲板で、
一人の女性が空を見上げながら、歌を口ずさんでいる。
あたたかみのある、優しさに溢れる美しさを纏った女性。
透き通るような美しい歌声は、
幻想的な雰囲気に包まれた世界の空気に溶けて、
船内で眠る人達に、今も起きて船で働く人達に、等しく安らぎを与える。
そして、この幻想的な美しい世界を、より美しく彩る。

永く、人と交わった事の無かった海に、人の歌声が交わり、
全く新しい美の情景が生まれていた。

「んっ…」
歌声を一旦止めた女性の身体が、あたたかみのある感触に包まれる。
ぬくもりを残した上着が、
新たに彼女の羽織る上着の、更に上から被せられていた。
「スウォンさん。」
「綺麗な歌だったよ。…今は一日で最も冷える時間だから、
 もう少し、あったかくした方がいいよ。」
優しい眼差しが、彼女の瞳を見つめていた。
彼女が愛してやまない、この世界の誰よりも愛している男性の眼差し。
笑顔が幸せに綻ぶ。
「子供達は?」
「今もみんなぐっすり寝てるよ。」
女性の夫は空を見上げて、目を細めた。
頭上に浮かぶ光景に、何かを思い出したかのように、彼は感慨深そうに表情を変えた。
涙をこらえるかのような表情。その顔は、すぐに優しい笑みへと戻る。
「綺麗だ…。」
「夢、みたいです…。こんなに綺麗な星空と海を見られて…。」
同じ空を見上げる夫婦の手は、お互いのあたたかい温もりに繋がれていた。





スウォンとヒトミの25回目の結婚記念日が一ヶ月ほど前に迫ったある日、
娘夫婦のナツミとハーシバル、それにヒトミの姉夫婦であるエイコとウズキから、
銀婚式後のプレゼントとして、旅行の話が夫婦に明かされた。
その旅行の目的地。
それは、夫婦が一度も訪れたことが無い所であり、
夫婦が以前から一度行ってみたいと思っていた所であった。

「黒い城」を巡るあの戦いの終結から、十年以上の時が流れ、
その間に、世界はまた、「広くなった」。
元々、科学や魔法が他国よりも更に先へと進んでいたキングダム王国だが、
キングダム王国の人々も、それに他の国の人々も、
まだこの世界の全てを解明したわけではない。
知らない事が、まだあまりにも多すぎた。
この世界の姿にしても、そうだった。
世界地図を完成させた者は、まだどこにもいない。
この星には、未だに人の知らない、人の踏み入った事のない地が幾つも存在していた。
まだ見ぬ世界の姿を追い求める者達は、地の果て、海の果てを目指し、世界へ飛び出した。
「キャプテン・カイト」の残した夢、物語の、更にその先を求めるように。

ハーシバルが初めて船長となって、
自らの船で初めて航海に出たのは、さほど古い話ではなかった。
「黒い城」の戦いが終わった後は博物学者として活動すると共に
冒険者としても活動していた彼は、
かつて親友と、愛する女性と誓った夢を叶えるために、
彼は船長になるための、冒険者としての更なる勉強、修練を積み重ね――
――その間にも、結婚や子供の誕生など、大事な、幸せな出来事が、幾つもあった――
――そして、遂に彼は船長となって、
「希望」によって生まれ、「希望」と共にある、
「未来」の名を冠した船と共に、彼は大海原へと飛び出した。
家族や仲間達に支えられながら、彼は幾つもの冒険を成功させ、
人類未踏査地への冒険をも幾つも成し遂げる事になった。
学者としても、冒険者としても、彼は今も、順調に活躍を続けている。
そして、数多の夢と希望を、世界に齎していた。

話を戻すと、
今回のスウォン・ヒトミ夫婦の銀婚式お祝い旅行なのだが、
旅行の行先は、ヒストリア大陸よりも更に南にある、
この星の南半球で最も南に位置する大陸にある、
美しい自然に囲まれた観光業を主要産業とする国。
その国はキングダム王国の国民達の間でも海外旅行先として非常に人気が高く、
スウォン・ヒトミ夫婦と親しい人達の中にも
既にその国へ旅行に行った人(娘夫婦であるハーシバル・ナツミ夫婦の一家も含む)も何人もいたのだが、
夫婦はまだ一度もその国に行った事が無かった。
そんな夫婦の銀婚式のお祝いプレゼントとして、
娘夫婦と姉夫婦達は、素敵な海外旅行をプレゼントした。
ハーシバルが乗船・指揮するフュチュール号で行く旅。
旅行には、ハーシバル・ナツミ夫妻とその子供達、
それにスウォン・ヒトミ夫婦の双子の娘達に、ウズキ・エイコ夫婦の子供達も一緒に。
(スウォンさんとヒトミさんの夫婦は「家族みんなで一緒に」と、
 本当はお姉さん夫婦とも一緒に行きたかったのですが、
 ウズキさんは騎士団の仕事で、エイコさんはザナドゥのお店のお留守番のために、
 それぞれお留守番する事を選択し、笑顔で妹夫婦達を送り出してくれました。
 旅行から帰るまでの間は、祈ちゃん達もお店にお手伝いに来てくれています。)

この旅行で訪れる場所の中で、
帰国前に訪れる最後の地であり、夫婦が最も行くのを楽しみにしている地。
それが、今フュチュール号が向かう、ある島である。

その「島」は、まだ人類が発見して、数年の時しか流れていない島である。
その「島」を人類で初めて発見したのは、ハーシバルだった。
数年前、ハーシバルが初めての南極での学術調査を終えて、
南大陸南部の港にまで戻ろうとする帰路の途上、その島は、発見された。
その島、いや、その島を中心とする海域は、
何故か結界にも似た「壁」に隔てられていて、外界からは隔絶されていた。
しかし、フュチュール号にはルナリングの最新鋭の科学とベルデンに伝わる魔法による、
多彩な装備が備わっていた。
その力を以ってすれば、「壁」を突破する事など、造作もない事だった。
(ちなみに、パラポルトから上記の「大陸南部の港」まで
 五日ほどの間で移動できるほどの長時間の高速航行が可能である。)
「壁」を越えた先には、今まで誰も見たことが無いような海が広がっていた。
夜空の向こうにある、銀河のような光景。
無限の星空からは、絶え間なく尾を引いて光が降り注いでいる。
天に星。海に星。流星の雨。
銀河にも似たその海域の中心に浮かぶ、
総面積20k㎡ほどの島もまた、星のような輝きを放っていた。
あまりにも幻想的な世界に驚愕を隠せないまま、
それでも、ハーシバル率いる探検隊は、その島と海域の調査を、可能な限り行った。
島を構成する物質はこの星の自然界で見られる物質とは大きく異なったもので、
島や海域に生息する生物も、見たことのないような生き物ばかりだった。
その後、フュチュール号は出来る限り島と海域の記録をまとめて、島を後にし、
無事に帰路に就く事が出来た。
それまで誰も訪れた事の無かった、誰も知らなかったその島は、
「星屑の島」と名付けられた。
南大陸への帰港後、ハーシバルは「星屑の島」に関する情報を探すも、
手がかりが見つかる事は無かった。
何故その島は、それまで誰も見つける事ができなかったのか。
何故、結界によって隔てられていたのか。
「星屑の島」とその海域に関する謎や疑問はあまりにも多く浮かび上がったが、
現在もその全てが解明されたわけではない。
ただ、不思議な事に、ハーシバル達が発見するまで、
それまで存在が確認されていなかったという事は、確かな事だったらしい。
もしかしたら、「星屑の島」とその海域は、
空の向こうから降ってきた星屑によってできたとも、
別の星、もしくは別の世界から転移してきた場所ではないか、
という仮説すら上がっているが、今でも真偽は定かではない。
かくして、新たな秘境の発見者となったハーシバルは、
「星屑の島」の発見の二年後にも、再び島へと向かい、再調査を行った。
その結果、先の調査よりも確かにわかった事はいくつもあったが、
それでも、謎は依然多く残り続けている。
ただ、島に居て、誰もが感じた事があった。
それは、不思議な嬉しさ。
新しい秘境を発見したという喜びだけでない。
幻想的な美しい世界を目の当たりにし、そこへ立ち入った事への感動だけではない。
言葉だけでは表せない、様々な嬉しさ、喜び、感動。
誰もがそれを感じていた。
そして、初めて「星屑の島」に上陸した時、
フュチュール号のメンバーの中で、誰よりもそれらの感情を強く感じていたのは、
他ならぬ、ハーシバルだった。

「星屑の島」を初めて発見してから帰国した後、
ハーシバルは島の事も、家族達に話し、
嬉しそうに話を聞く家族達を前にして、
いつかは家族も連れて一緒にあの島に行きたい、と心に誓った。

そして今回、妻の両親達を、
銀婚式お祝い旅行の一環として、初めて一緒に「星屑の島」に行く事になり…。





「ヒトミさん…?」
柔らかいハンカチの感触が、スウォンの頬に触れていた。
ヒトミは何も言わずに、優しい手つきで夫の頬を拭う。
「濡れたままだと、冷えちゃいます…。」
自分の目頭が熱くなり、潤ってる事に今更気づく。
拭ってもらった頬が、一瞬ひんやりと冷える感触に見舞われる。
(…泣いていたのか…)
涙の理由は、目の前に広がる世界の光景。
星屑降り注ぐ美しい空。
これほどまでに美しく輝く空を、スウォンは一度見た事がある。
忘れもしない、あの日。
この世界そのものの存亡を賭けて、多くの勇者達が命を燃やし、戦ったあの日。
絶望の闇を切り裂き、希望を齎す光が流星となって降り注いだ空。
永遠の流星を降らせ、希望そのものとなった、永遠の友人。
色褪せないあの日の記憶に似た眼前の光景は、
スウォンの心に様々な感情を去来させ、
それらの全てが混ざり合って、涙となって溢れ出る。
(…カイトさん…)
世界を希望と未来へと――スウォンにとっての希望と未来も――
―導いてくれた友を想い、スウォンは涙する。
そんな夫の心中を察するヒトミは、ただ優しく彼の涙を拭う。
「…ありがとう…。」
涙を抑えて、妻の身体をそっと抱き寄せる。
身も心もあたためてくれる温もりが伝わり、
スウォンの身体も抱かれて、夫婦の距離は、更に近くなる。

「本当に、いくら感謝してもし足りないよ…。
 こんなに素敵な旅行をプレゼントしてくれた
 ハーシバル君にも、ナツミにも、義姉さんにも、義兄さんにも…」
「はい…。それに…お店に手伝いに来てくれているみんなにも…」
毎日が楽しさと驚きと、幸せでいっぱいの、最高の旅行だった。
その幸せは、夫婦だけのものではない。
子供達と、娘夫婦、孫達、姉夫婦の子供達、と一緒に、だからこそ得られた幸せ。
そして、自分達を快く送り出してくれた姉夫婦と友人達。
たくさんの愛する親しい人達がいたからこそ得られた幸せな時間だった。
…この幸せな時間は、夫婦が、家族や仲間達と一緒にこれまで歩んできた「未来」の中の一篇。
たくさんの幸せな出来事の中で、今最も新しい、「幸せな時間」。
「希望」と共に歩んできた未来の中にあった、いくつもの幸せ。
大切な、最愛の家族に、友人に、仲間に、
そして…いつも傍にいるはずの、永遠の友に、
スウォンも、心から感謝していた――。

「…不思議、ですよね…。」
「ン…?」
星降る世界をその目に映しながら、ヒトミは静かに言葉を紡ぐ。
「…スウォンさんが元々居た未来には、『星屑の島』は発見されてなかったんですよね。」
「うん…。先月にテラー博士がこの時代に来られたのでその事について伺ったけど、
 そんな島はまだ発見されていないって、驚いていたよ。」
「…それなのに、どうしてこの時代にこの島が生まれたんだろうって思って…。」
「…それはまだわからないけど、それは、すごく素敵な事って思うな。」
「素敵な事…。」
「少し話が飛躍するけど、
 俺が元々いた時代は、確かに科学技術や魔法技術もこの時代よりは進んではいるけど、
 それでも、まだ誰も世界の事を知り尽くしたわけじゃないんだ。
 空の向こうにある宇宙、他の星の事は勿論、
 この星の全てだって、まだまだ解明されていない事はいっぱいある。
 …世界地図は、今もまだ、完全には完成していない。
 戦争が終わって平和になって今では、世界の本当の姿を知ろうと、冒険に出る人はまだ後を絶っていないんだ。
 そう…この時代と、同じように。」
――そう、「彼」等の意思が継がれたように。
「…まだまだ、この世界には誰も知らない事、不思議な事は数えきれないほどある。
 今から行く『星屑の島』も、その一つ…不思議な事、そのものだよ。
 …未来が変わったからこそ、『星屑の島』も生まれたのかもしれないな…。
 未来が変わったからこそ生まれた、奇跡…。」
「未来が変わったから…?」
「あくまでも、俺の考えだけどね…。
 …あの『黒い城』での戦いが終わった後、この時代も、俺が前に居た未来も、
 少しずつ、ゆっくりと、はっきりと、世界は明るい方向に向かって進んでいる。
 それだけじゃなくて、どちらの時代でも、それぞれの世界の新しい姿が見つかって、
 新しい希望が、いっぱい生まれているんだ。
 それが、様々な形で、人々の心に希望を、光を与えている。
 …俺は、信じたい。『星屑の島』も、希望から生まれた存在だと…。」
――スウォンが抱くその想いは、初めて島を発見した「彼」にとっても、同じものだった。

「…未来が変わったからこそ生まれた奇跡…それは、私達も同じですね。」
再びヒトミは、スウォンの両手に自身のそれを重ねて、優しい眼差しも一緒に、夫のそれに重ねる。
「スウォンさんが未来からこの時代にやってこなかったら、
 私も、こんな幸せを掴む事なんて、無かったと思いますから…。」
「ヒトミさん…」
「私だけじゃありませんよ。
 姉さん達の、ナツミちゃん達の、あの子達の、私達の今の幸せも、
 あなたと出逢えたからこそ、生まれたものだって、私も信じてますから…。」
二人の出会いも奇跡…。
あの戦いも、命を燃やして戦い続けてきた一人一人の、全員の想いと力があったからこそ、今の未来がある…。
いくつもの奇跡と希望が生まれ、続く未来が生まれ、
そして今、夫婦達家族も、歩き続けている。奇跡と希望から生まれた未来の中で。
「…これからも、ずっと歩き続けていきましょうね…。家族みんなで…。」
「…うん…。」

(カイトさん、俺達、これからもみんなで一緒に歩き続けていますよ。
 みんなで掴んだ…あなたが希望をくれた…幸せの未来を。)

「改めて、これからもよろしくお願いしますね、スウォンさん。」
「こちらこそ、これからもよろしくね、ヒトミさん。」
優しくあたたかい眼差しと言葉が重なり、そして、二人の唇が重ねられる。





「いつ見ても、本当に憧れちゃうな…親父さんとお義母さんの仲の良さには。」
「ああ…。小さい頃からずっと憧れてきた姿だよ…。」
甲板で二人っきりの夫婦の幸せな姿を静かに微笑ましく見つめる、もう一組の夫婦の姿。
フュチュール号の船長夫婦は、両親の姿を、微笑みを絶やさずに見守り続けていた。
そして、今度は夫婦同士で表情を見合わせて、嬉しそうに微笑み合う。
幸せだった。
最愛の家族は、みんな幸せの中にいた。

「…降る星の灯りが、更に明るくなってきたな。」
空より降り注ぐ流星の雨は、明らかに勢いを増していた。
フュチュール号の航路を照らすように降り続ける星灯りは、
陽の光にも劣らぬ明るい輝きを放っている。
この光景は、ハーシバルとナツミにも見覚えがある。
星屑の島に近付けば近付くほど、目視できる流星の数が増える。
数えきれないほどの星が光の尾を引いて流れていくが、
それらは一度も、船に直撃するようなことは無かった。
まるで流星そのものに意思があるかのように、それは誰かを傷付ける事無く流れていた。
そう。あの時と。
死を齎す雲のみを掻き消し、人々を助けるように降り注いだ流星雨と同じように。
「…カイトさんが、降らせてくれているのかな…。」
「ああ…そうだよ、きっと…。」
船長夫婦は、流星雨を眺めながら、大切な友人、仲間への想いを馳せる。

あの日、流星雨の降る中、ハーシバル達の前から姿を消した、
姿は見えなくとも、傍にいる、大切な、永遠の最高の親友。
船長となり、フュチュール号を率いてのこれまでの航海や冒険でも、
幾度となく危機に襲われた事もあったが、それを無事に乗り越えてきたが、
言葉で説明できない不思議な力に助けられた事も、何度もあった。
「カイトが航海でもいつも見守って、助けてくれているんだ」――ハーシバルは、そう信じていた。
『星屑の島』の発見に際しても、不思議な事が幾つもあった。
本来は南極の調査を終えてすぐに大陸にまで帰投する予定であったのに、
まるで船に意思が宿ったかのように、船が島へと向かい、
ハーシバルもその意思のようなものに導かれるかのように、船を動かしていた。
島までの航海はから帰港まで何一つ危機に襲われる事は無く、
不思議なくらい無事に航海を終える事が出来た。
「きっと、カイトのおかげだ。カイトが導いてくれたんだ」――
――島に初めて上陸した時に、心に覚えた嬉しさと喜びと、感動。
その感情の中に、ハーシバルは、カイトの存在を強く感じていた。
そして、後にハーシバルの二度目の『星屑の島』の調査に同行したナツミも、
夫と同じように、心にそれを感じていた。

(カイト…見てくれてるよな…。ずっと、一緒だもんな…。いつも、見守ってくれてるもんな…。
 俺は今も元気だよ…。ありがとう…。
 これからも、みんなで頑張っていくよ。お前とも一緒に誓った夢を叶える為にも。
 …頑張って、これからもやっていこうぜ。これからも、ずっと一緒に…)
その想いは、いつも傍にいる、心の海で繋がる、最高の親友の元へ。
「…ナツミ…。」
そっと目を閉じていたハーシバルの手を、あたたかいナツミの手が握っていた。
柔らかい笑みを湛える彼女の目が何を言っているのか、
言葉を聞かずとも、ハーシバルにはすぐにわかった。
眼差しを交わし合って、二人はもう一度空を見上げる。
もう一度、最高の親友への想いを、胸に馳せて。

「俺達も、歳をどれだけとっても、
 親父さんや義母さんのように、いつまでも、仲良くいような。」
「ど、どうしたんだよ、いきまり…」
照れ臭そうにナツミが視線を再び両親の方に向けると、
そこでは両親が、また甘い口付けを交わし合っているのが見えた。
その光景に、ハーシバルの言葉も相まって頬をほんのりと染めていると、
ナツミ自身の頬もハーシバルのあたたかい両手が添えられて、
「ぁ…ん…」
そして、両親と同じように、今度は子供夫婦も、甘い口付けを交わすのでした。


――明日も、家族みんなに、幸せな一日が来ますように――。


「未来」の名を持つ船は進み続ける、希望を信じる未来に向かって。

迫る未来の一つ――星屑の島は、直に島を訪れようとするフュチュール号を歓迎するかのように、
眩い輝きを放っている。

そこには、島と一緒に、彼等を待つように、
一羽の黄金色の蝶が、海岸でフュチュール号のいる方角を眺めながら、翅を休めていた――。



おしまい
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Secret

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プロフィール

無頼

Author:無頼
ようこそ。
どうぞ、ごゆるりと。

↓管理人の特に好きなパワポケCP
6主×瞳さん
羽柴君×夏海さん
10主×紫杏

6主×瞳さんスキーな同志、
随時求みます。

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