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新しい幸せの日々へ…

『空族時代編』投稿作品。
タワシさん、wayaさん、クロルさん、BLUEさん、
キャラと設定をお借りしました。

以下、SS本文になります。



『新しい幸せの日々へ…』



今宵も、空には月が、数多の星々が輝く。
そして、輝く夜空の光は、夜に沈んだ世界を優しく照らす。
月と星の光に照らされた夜の世界には、
太陽の光に照らされた昼間とは違った美しさと、輝きがある。
そして、光をもらうだけでなく、自らも光を放ち、輝く夜の世界もあった。


眠らない街・ブランシェ。
世界有数の大都市であるこの街は、
夜闇に包まれた現在も街の各所に明るい灯りが輝き、
光りあるところに、人々の明るく賑やかな喧騒があった。
人々は、今宵も平和な夜を謳歌する。
それぞれの、お互いの幸せを喜び合いながら。

幾多の問題を抱えながらも、世界は廻り続けている。
戦火の芽は今も撒かれ、芽吹き続け、
新たな戦いと悲劇もまた、生まれようとしている。
だが、混迷続くその世界には、平和も確かにあった。


「今夜も星が綺麗ですね。」
「この空…きっと明日もいい天気だよ。いい青空になる。」
平和な夜を享受するブランシェの街の一角にある、喧騒から外れた公園。
海が近く、街の風景もよく見渡せるその公園は、
ブランシェの街の人々にとって憩いの地だ。
昼間ともなればこの公園も人で賑わっているのだが、今は夜。
とても静かだ。
そこに、手を繋ぎ、夜空を見上げながら散歩する一組の男女の姿が在った。
優しく手を繋ぎながら、お互いの顔を見合わせて微笑み合う二人の姿。
他者から見ても、二人が仲睦まじい関係であることを察するのは、容易だった。
「ヒトミさん、寒くない?」
「ちっとも寒くありませんよ。だって…スウォンさんが隣にいるんですもの。」
ぎゅっと、女性――ヒトミの、男性――スウォンの手を握る力が、少し強くなる。
お互いのあたたかさを、今の自分達の幸せを、より強く噛み締めるように。


ファントゥームでの最後の戦いが終わってから、二週間が経過した。
世界の存亡を賭けるまでに発展したカメダ軍団との最後の戦いは
クロエ達ファッティホエール号の仲間達の勝利に終わり、カメダ軍団は遂に壊滅。
ファントゥームもまた、この世界を、「仲間」達を愛し、平和を願う一人の少女の意思により、
この世界から永遠に姿を消した。

戦いを終えたファッティホエール号の仲間達は、遂に解散の時を迎える事になった。
戦いが終わっても、世界は終わらない。
この世界の「終焉」は阻止され、これからも世界は廻り続ける。
そして、皆にはその世界で、それぞれのやるべき事がある。
全員が、この戦いを通して得た絆と思い出を改めて確かめ合い、
必ず再会する事を約束して。
解散した仲間達は、各々の道へと旅立っていった。
行くべき場所へ。
帰るべき場所へ。
それぞれの未来へ。

スウォンもまた、帰るべき場所へと戻ってきた。
たくさんの仲間達の、そして、愛する人の待つ、故郷のブランシェへと。

ブランシェに帰って来て、情勢が落ち着いてきてしばらく経ち、
そして今日、スウォンは久しぶりに、
幼馴染で恋人のヒトミと一緒にデートに出かけていた。
最愛の人との幸せな時間を、二人は久しぶりに満喫する事が出来た。
その「一日」も、もう残り短くなりつつあった。
二人は今日一日のデートの最後の外出先に、この公園を選んだ。


「今日は一日、どうだった?」
「とっても楽しかったです。久々のデート、本当に素敵な一日でした。」
ブランシェの港地区の美しい夜景を一望しながら、
スウォンとヒトミは、ベンチに腰を降ろし、互いに寄り添い合っていた。
「嬉しいよ。またこうしてヒトミさんとデートする事が出来て…。」
「私もです。あなたが無事に帰って来てくれて、私、本当に嬉しかった…。」
「…長く心配かけて、すまなかったね…。」
「ううん、いいんです。
 それに、私達がこうして今日もこうして平和に生きていられるのも、
 スウォンさん達のおかげですから…。」
ヒトミは改めて、ブランシェの夜景を見渡す。
街に輝く灯りの下にはたくさんの人達がいて、今も明るい賑わいを見せている。
平和の光景、そのものだった。
「スウォンさんが、テネジーちゃんやヒカリ君が、
 クロエさん達が、皆さんが守った街です…。皆さんが守った平和です…。」
「守れたんだな…俺達…。」
あの最後の戦いで負けていたら、この世界は終焉を迎えていた。
そう、ファッティホエール号の仲間達は、救う事が出来たのだ。
この世界と、そこに生きる数多の命を。


「スウォンさんは、これからもワギリで働き続ける予定ですか?」
「ああ。もう身体も完全に回復したし、前と同じように働ける。
 これからは、また元気に働けるよ。」
微笑んでそう答えると、スウォンは夜空を仰ぐ。
視線の先は、一際輝く満月。
一瞬、スウォンは静かに満月をじっと見つめると、再び言葉を紡ぎ始める。
「ただ、必要とあらば、また空で戦う事もあると思う。」
「えっ…?」
「カメダ軍団とのファントゥームを巡る戦いは終わったけど、
 まだ世界が完全に平和になったわけじゃない。
 いつまた大きい戦争が始まるかもわからない。
 それに、カメダ軍団は確かに壊滅したけど、
 逃走した残党だってまだ多く居るはずだ。
 カメダ軍団だけじゃない。
 自らの私利私欲で平和を脅かそうとする輩は、他にもたくさんいる。
 いつかまた、あのファイアバグやカメダ、ジオットのような悪党が現れるかもしれない。
 もし今までの一連の戦いの時みたいに、この世界が危機に曝されたその時は、
 戦うよ、俺は。」
この世界を、もっといい方向へ導くこと。
この世界に、一つでも多くの幸せと平和を齎す事。
それが、続くこの世界でこれからも生き続ける俺達の役割だと思うから。
平和の礎となって散っていった数多くの魂の為にも。
幸せを、平和を踏み躙られ、犠牲となった、かつての旧友達に、数多くの魂の為にも。
この世界の幸せと平和を願い、みんなにそれを託した彼女の為にも。
俺達は、未来を創らなくてはいけない。明るい未来を。
「スウォンさん…。」
そしてまた、静かに、スウォンはヒトミに微笑みかけ、
そっと彼女のあたたかい身体を抱き締める。
「小さな力だけど、俺には戦う力がある。
 だから、その力で、少しでも多くの人の平和を、幸せを守りたいんだ。
 そして…誰よりも、ヒトミさん、君の事を守りたいんだ。」
あたたかく濡れたものが、ヒトミの目元に溢れ、頬を伝う。
多くの傷を心身に負いながらも、戦い続けたスウォン。
彼の戦いは、いつも「誰かの幸せを守る為」という行動理念から始まっていた。
カメダ軍団との一連の戦いでは、
友の命を奪ったファイアバグへの復讐、という怨恨も確かにあった。
だが、それ以上に彼を突き動かしたのは、
人々の幸せを踏み躙るカメダ軍団への怒り、そして軍団の非道から人々を守りたいという
想いに他ならなかった。
そして、彼はまた、新たな戦いに身を投じようとしている。
彼の決意は、揺らぐことは無い。
ヒトミは、彼がそういう人間だという事を熟知している。
彼はまた、自分達の為に傷つこうとしている。
いつもスウォンの事を見守り続けてきたヒトミ。
彼の優しさに、嬉しく、同時に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「…スウォンさん…。 スウォンさん…!」
スウォンの背中にも、そっとヒトミの手が廻る。
ありがとう。ごめんなさい。
最愛の人への、謝意に満ち溢れた涙が、ヒトミの頬をとめどなく流れる。

ずっと近くなり、感じ合う、お互いのあたたかい温もり。
絶対に守りたい、最愛の人の温もりを感じながら、
スウォンは一旦、名残惜しそうに彼女の身体を離した。
まだ潤んだままのヒトミの目元と、涙の痕に、
スウォンも嬉しくも、申し訳ない気持ちになる。
だが、再び戦いに身を投じる決意に、躊躇いは無い。
彼女の幸せを守る為にも。
幸せにしたいのだ。誰よりも、彼女を。
最愛の女性(ひと)だから。

一連の戦いの日々の中で、
以前から相思相愛ながらもなかなか進展できなかった二人の関係は、
様々な出来事を経て、大きく前へと進んだ。
お互いの気持ち、想いは、もうはっきりとわかっている。
だからこそ、彼は今日、彼女に向けてある言葉を贈る事を決意していた。

「ヒトミさん、お願いがあるんだけど、いいかな…?」
「う、うん…」
「左手、前に出して。」
「…っ!?」
その声に従い、ヒトミはそっと左手を前に差し出す。
スウォンはポケットから小さな箱を取り出し、
箱の中にある物を、そっとヒトミの左手の薬指に、それをゆっくりとはめた。
「ス、スウォンさん…! これ…!?」
ヒトミの左手の薬指にはめられたもの。
それは、美しい宝石の指輪。
それが何を意味するのか。わからないわけがなかった。
「ヒトミさん、ごめん。
 また先の戦いのような事が起こったら、
俺、これからも何度もヒトミさんを待たせる事もあると思う。
寂しい想いをさせてしまう事もあるかもしれない。
だけど、信じてほしい。
俺は絶対、君の所に帰ってくる。
俺は、これからも君の隣にいたい。」
「あ、ああ…。」
再び、ヒトミの頬を涙が伝い始める。
今度は、喜びと幸せに満ち溢れた涙が。
「絶対に、幸せにする。
 俺と、結婚してほしい。
 一緒に、幸せになろう。」
「……はい…!」
最初の返事は、涙と幸せに溢れた笑顔と共に。

そして、二つ目の返事は、涙に濡れた、甘酸っぱい口付けと共に。


一つの物語が終わり、いくつもの新しい物語が始まる。

これは、二人の新しい幸せの日々の始まり――。



HAPPY END!!
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無頼

Author:無頼
ようこそ。
どうぞ、ごゆるりと。

↓管理人の特に好きなパワポケCP
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随時求みます。

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