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騎原さんちの幸せな日々 クリスマス編2011

今年最後のSS更新です。
今回のSSで、ブログ掲載のSS数も通算百本目となりました。

今年が終わる一時間前に、なんとか間に合いました…。
よりによって大晦日にクリスマス設定の話ですが…
もう一週間も遅れていますが…;

時期としては14終了後の話です。
騎原さん一家にクリスマスカードを贈ってくれた人達は、
今回は殆ど詳しくは触れられませんが、
他の作品の主人公やヒロイン達も含まれているという設定です。
原作ではありえない結末を迎えた人達も、
何人もいるという設定になっています。
今回は具体的には示されてはいませんが…。

来年からは、
騎原さん一家と他の作品のオリ主&ヒロインの絡むお話も、
もっと書いてみたいと思っています。

それでは皆様、よいお年を!


以下、本文になります。



『騎原さんちの幸せな日々 クリスマス編2011』



冷たい空気を感じながら、空を見上げる。
視界に映るは、美しく瞬く幾千もの星々。
今夜も綺麗な夜空だ――。
視線を星々輝く夜空から、それよりも近くへと移す。
あたたかみのある明りの灯った近隣の家々。
中には美しいイルミネーションの施された家もあって、
夜空の下、星の輝きにも負けないぐらいに美しい輝きを放っていた。
目に映る多くの家々の光の中から、
たくさんのあたたかみと、幸せを感じられる気がした。
耳を澄ませば、幸せの声が、幸せの音が聞こえてくるような気がした。
――いや、気がしたのではない。確かに聞こえたのだ。
心は、確かにそれを信じていた。
だって、今日は幸せの降る夜なのだから。
視線を少し遠くへと向ける。
夜空よりも遠くに見えて、夜空よりも近い距離にある場所。
街の繁華街の方向へ。
夕方前に買い物に出向いた時には、
既にそこは多くの人達の幸せに染まった活気に満ち溢れていた。
道行く人達の表情に花咲く笑顔。
聞こえてくる、楽しそうな声。
それらが全てを物語っていた。
きっと今も、街はたくさんの人達の幸せに満ちている事だろう。
人々の喜びや幸せが形になったかのように、
街の、家々の灯りは、一際輝いているように感じる。

聖夜の――夜空の下では、
たくさんの人々の幸せが、
夜空の星々の輝きにも負けないほどの美しいそれを放っている。

そして、耳を澄まさなくても、すぐ近くから聞こえてくる幸せの声。
階下から賑やかな声が響いてくる。
我が家の一階のリビングルームでは、
娘達が友人達を招いてのクリスマスパーティーの真っ最中だった。
数分前までは俺自身も妻や娘達と一緒に
リビングでパーティーの楽しい時間を過ごしていたのだが、
少し飲んだお酒の酔いを醒まそうと、今は自宅二階のバルコニーに出ていた。
椅子に腰かけて、真冬の空気に浸りつつ、外の風景を眺める。
漏れる息は、白くはっきりと形になって大気に溶け込む。
平和だな――。
階下から聞こえてくる楽しげな声を耳にしながら、頬が綻ぶ。
世は全て事も無し――。
今宵の聖夜も、いたって平和だ。
そこには、不穏なものも不安も、一切感じられない。
こんなに穏やかで平和な気持ちがいっぱいに聖夜を過ごす事になるのは、
随分と久しぶりの事だった。
それも、その筈か。
事にこの数年間は、あまりにも多くの苦難と戦いの連続だったから。
その間、心休まる時間も少なかった。
それが今では、こうして不安も無く、
全てを平和に任せて聖夜を過ごしている。
―もう、状況は変わったのだ。
少しずつだが、ゆっくりと、良い方向に。


外の風景に向けていた視線を、今度は手元へと移すと、
テーブルの上に置かれたクリアファイルを手に取り、
中に挟まれた、いくつものカードを取り出す。
それは、多くの親愛なる友人達から届けられたクリスマスカードだった。
酔い醒ましに二階へと上がっていこうとする前にポストを覗いてみたら、
その中に届けられていたのを見つけたのだった。
写真やイラストと共にメッセージが添えられたそれを、
一枚一枚、改めて読み返していく。

結婚しました。
新居に引っ越ししました。
新しい職に就きました。
子供ができました。
クリスマスのお祝いのメッセージなどに加えての、
自分達の幸福を伝えるメッセージの数々。
全てのメッセージから幸せな気持ちが滲み出ていた。
そんなメッセージの添えられたクリスマスカードを一枚一枚読む度に、
改めて心にあたたかな風が流れて、
同時に徐々に、視界が滲むのを感じた。
嬉しい。
友人達からクリスマスカードをもらえたという事。
お祝いのメッセージをもらえた事。
そして、彼らから幸せを伝えられた事。
ただ、嬉しかった。
届けられた幸せのメッセージは、自身にとっての幸せでもあった。
彼らの幸せが、心の底から嬉しかった。
それに、彼らの中には――。


「スウォンさん。」
「っ…!」
届けられたクリスマスカードを全て読み終えて、
カードをクリアファイルにはさんで一旦卓上に置いたところで、
背後から聞こえてきた声に気付き、目元を人差し指で拭い去る。
振り返れば、そこにはいつもと変わらない妻の優しい笑顔。
ほんのりと、頬が紅く染まっている。
酒気を帯びて、普段よりも少し熱が増しているようだった。
瞳さんもバルコニーに出ると、俺の隣に腰を降ろす。
(二人一緒に寄り添って座れる椅子なのです。)
目を細めて、彼女は身体を寄せてくる。
あたたかい。
優しい、いい匂いが鼻腔をくすぐる。
そっと肩を抱くと、彼女は更に安心するように、嬉しそうな表情を見せた。
「瞳さんも酔い醒ましに…?」
「はい…。久々に今日は多めに飲んじゃいました…。」
「俺は寒さ平気だけど、瞳さんは寒くない?
 寒かったら、上着貸すよ?」
「平気ですよ~。それに、ここはあなたの隣…
世界で一番あたたかい場所ですから…。」
寄り添う彼女の口から、吐息と共に甘い声が零れる。
隣に愛する人がいる。一緒に寄り添い合っている。
それだけで、寒さ以上に、あたたかさが身体を包み込む。
「下のみんな…あの子達、今も盛り上がっているみたいだね。」
「一年に一度のクリスマスですものね。
 みんな、本当に大はしゃぎで…とっても楽しそうですよ。
 ウフフ…若いっていいですね…。」
「若さ…ね…。」
十代後半の娘二人を持つ夫婦となった俺と彼女。
とてもいい歳のとり方をできた、と思う。
「んっ…」
不意に、彼女は俺の頬を両手で包み込む。
あたたかい感触に包まれて、酒気の残る頬は更に熱が上がる。
近付いてくる彼女の顔。鼻腔をくすぐる甘い香りも、より強くなる。
黙って、目を閉じようとする――
「スウォンさん、お目目、赤いですよ…。」
が、一定の距離まで詰めたところで、彼女は俺の瞳を覗き込む。
目を閉じるのは、瞬き運動のみに留まる。
「っ―!」
不意にテーブルに視線を向けた彼女は、
卓上に置かれたクリアファイルを見つけると、それを手に取る。
「見てもいいですか…?」
こくり、と頷く。
彼女はファイルを開くと、
すぐに内にはさまれたクリスマスカードを見つける。
(スウォンさん、さっきまでこれを読んでいて…)
彼女は身体の向きを変えると、
もう一度手元のクリスマスカードに視線を落として、
「私も…今読んでいいですか…?」
再び表情を向い合せて、そう尋ねる。
勿論、断る理由もなく、再び静かに、俺は頷く。
そして、ファイルから取り出すと、
彼女も一枚一枚、クリスマスカードを読み始める――。





やがて、彼女は最後の一枚を読み終える。
ぐすり、とすすり泣く声が響く。
声の主は、目の前の彼女だった。
既に目頭は熱くなっていて、
目元は潤み、頬には一筋の涙が伝っていた。
「みんな…よかった…」
瞳さんも、俺と同じ気持ちだった。
彼女は俺とは違い、裏社会とは関わりのない人間である。
だが、俺が裏社会で戦い続ける人間達と関わり合い、
友誼を結んだように、
瞳さんもまた裏社会と関わる人と関わり合い、友誼を結び、
そして…彼ら、彼女達にも平穏な日々が来ることを、
幸せが訪れる事を、心から祈っていた。
彼ら、彼女達の何人かが、幸せを諦めていると知った後も、それでも…。

全てを乗り越えた後――。
彼らの元に、幸せは確かに訪れつつあった。
まるで奇跡が起こったかのように、死の運命をも撥ね退けて、
彼らは、新生した世界に生き残った。
全ては終わり、世は全て事も無し、となった。
瞳さんも彼らの近況を全く知らないわけではなく、
幾人かのそれは、本人から直接伝えられ、
あの大破局後に、幸せになった姿を見せてくれた人も、何人もいる。
そして、こうしてまた、幸せな近況を伝えられて、
改めて、様々な喜びや幸せの想いが、彼女の胸に去来していた。

「みんな、これからも幸せにね…。」
涙ぐみながら、
彼女は読み終えたクリスマスカードをファイルに片付けて、卓上に置いた。
その胸に、クリスマスカードを贈ってくれた友人達の幸せな姿を思い描きながら―。





「…来年も、幸せなクリスマスを迎えられるといいですね…。」
「気が早いね。
まだ今年のクリスマスも過ぎ去っていないというのに…。」
「ウフフ、ごめんなさい。
 でも、そうであってほしいんです。
 私達が、あの人達が、今年のように…ううん、今年よりも、
もっと幸せなクリスマスを…幸せな未来を迎えられるようにって…。」
「……迎えられるよ、必ず。いや、迎えてみせる。」
大破局を乗り越えた世界となった今でも、
目指す未来は、そう、明るい、幸せの未来。
その為に、できる事を続けよう。
その想いは、いつまでも変わらない。
そして、この想いは、あの人達も、きっと同じだと思う―。


来年も、ずっと歩いていきましょうね…。
私達二人で、みんなで…。

うん、歩いて行こう。


みらいいろ。
望んだのは、明るい、幸せのイメージ。


「ねぇ、お願い…。」
「ン…?」
瞳さんは背後に、室内に振り返り、何かを確認して、
「今、二人っきりですから…一つ、お願いがあるんですけど…。」
そう、言葉を続けた。
「なんだい…?」
返事の代わりに、彼女は目を閉じて、
先程のように俺の頬をあたたかい両手で包み込んだ。
それが何を意味するのか、分からない訳が無かった。
今度は俺から――。
優しく彼女のあたたかい頬を手で包み、ゆっくりと顔を近付ける。
少しずつ縮まる距離。重なり合う吐息。
そして、二人は、一つに重なる――。


娘達の呼ぶ声に、再び俺達夫婦が階下に戻るのは、
その時、夫婦そろっておもいっきり彼女達に冷やかされたのは、
それからもう少ししてからの事――。





大破局を乗り越えて、新しい時代を歩み始めた世界。
この世界の未来の行く末は、今はまだ誰も知らない。
だが、少しずつではあるが、
ゆっくりと、良い方向に世界は動いていた。
その先には、きっと、光溢れる未来が待っているはず――。

みらいいろは、これからも描かれていく。
明るい、幸せの色で――。



おしまい
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プロフィール

無頼

Author:無頼
ようこそ。
どうぞ、ごゆるりと。

↓管理人の特に好きなパワポケCP
6主×瞳さん
羽柴君×夏海さん
10主×紫杏

6主×瞳さんスキーな同志、
随時求みます。

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